お客様名 | オリエントハウス株式会社 |
---|---|
事業内容 | プレハブの建設・販売・リース業 |
導入した業務 | kintoneへのカスタマイズ(在庫管理システム) |
URL | https://www.orient-house.com |
京都を拠点にプレハブ建築や軽量鉄骨建築の・販売・リース事業を全国展開されているオリエントハウス株式会社の代表取締役 川畑様に、ご依頼いただいた在庫管理アプリへのカスタマイズについてお話を伺いました。
弊社は、プレハブや軽量鉄骨建築の建設・販売・リース業を行っていて、京都を本社とし、西は福岡から広島、神戸、大阪、滋賀、名古屋、さらに東は東京まで、全国で営業しています。
建設事業では、弊社が直接、発注者から仕事を請け負い、各専門工事会社と連携しながら、工事全体を取りまとめ、進行していきます。
また官公庁の仕事も多く、企画提案、競争入札を経て案件を受注し、同様の手順でプロジェクトを進めます。
リース・販売事業においては、弊社が所有する工場2か所で、プレハブ建築に用いられる部材(壁・屋根・窓など)の管理をています。
リース契約が入ると、現場で部材を組み立て施工し、契約期間が終わると建物を解体し、工場へ戻して部材を種類別に保管しています。
お客様は法人さんがメインで、依頼内容は会社の倉庫や事務所、店舗などが多いです。官公庁の場合は、仮設校舎や仮設庁舎になります。
※画像はオリエントハウス様のHPから参照
システム導入前の在庫確認のフローとしては、営業担当と工場責任者間で電話・FAX等で行っていました。
部材の管理は工場責任者が行っており、営業から「〇〇商品のリース契約が1年後に決まりそうだ」と連絡があれば、その商品の部材が一式あることを確認して、営業に回答する流れです。課題としては、部材の正確な数量を把握する仕組みがなかったことです。
部材の製造も行っており、足りなければ製造すればいいので、リース用の部材の在庫確認は、およその数を把握する程度でした。
そこで、kintoneのアプリでデジタル化を試み、自社で以下アプリの開発を試みました。
自社で開発していたアプリ
A)工場内の部材在庫が分かるアプリ(部材名、数量)
B)既存のリース契約情報が確認できるアプリ(出荷・返却日、料金、部材名、数量)
C)リースの見積作成ができるアプリ(希望リース期間、料金、部材名、数量)
これに加えて、営業担当が「指定期間に希望するプレハブの部材在庫を確認できる」ようにしたかったのですが、kintone標準機能だけでは実現できないことが分かったので、ノベルワークスさんに「スプレッドシートで作成できないか」相談しに行きました。
「その方法だとデータ連携開発にだいぶコストがかかりますね。javasprictのカスタマイズを加えればkintone内で完結でき、コストも押さえられますよ」と提案
してもらい、その方法を採用・依頼しました。
※カスタマイズ(独自開発)とは・・・ブラウザを「動かす」ためのプログラム言語(JavaScriptやCSS)などを使用して、アプリの動作や画面をカスタマイズするもの。
1、開発したカスタマイズ内容
今回ノベルワークスさんに依頼したのは、「B)リース契約情報」と「C)リースの見積作成」にカスタマイズを加え、「指定期間に希望するプレハブ部材の在庫を確認できる」在庫管理システムを作ることでした。
「B)リース契約情報」には既に確定した契約や案件情報が含まれており(期間と商品を構成する部材情報)、
「C)リースの見積作成」には「希望する部材の数量」が含まれています。
Cのアプリにボタンを配置、クリックすることで、B,Cにあるこの2つレコードを照会し「指定期間に希望する商品の部材在庫があるか」を一目でわかるようにしました。
2、カスタマイズによる効果
1⃣ 属人的な仕事が無くなった
2⃣ 部材の出入りが明確なので、余剰発注を防ぐ
3⃣ 従業員の意識が変った
1⃣ カスタマイズ実装前は、営業から電話で在庫確認が入れば、ベテランですべて把握している工場責任者が目視で在庫を確認し、返答していました。新人さんだと似かよった寸法の違いを見分けるのが難しく、間違えて伝達することもあったため、属人的な部分がありました。
カスタマイズ後は、お客様が必要とする期間に必要な部材一式が揃っているかを、誰でもボタン一つで確認できるようになったため、属人的な仕事が無くなったと感じています。※足りない部材がある場合はNG部材の一覧と不足数量が表示される
2⃣ 明確な部材の出入りが確認できることで、「念のため発注していた部材」=余剰部材の発注が減少しました。
建築業界は、契約してから着工が半年後や1年後になることが多いので、その間の部材の出入りを明確に把握できていないと、確認ミスで「この時期に部材が戻らないから追加発注しよう」と、余剰在庫を抱えることもしばしば発生します。
逆に細かく把握できていると、「次の工事着工までの間に別件でリースが可能」かもしれません。
つまり、コストカットにも売上アップにも繋がる業務効率化が叶っています。
3⃣今回の開発の副産物として、kintoneの機能性について従業員が効果を感じています。
例えば、導入したことで、工場と営業の社員がkintoneのコメント欄で案件に対して具体的な質問を投げかけ合うようになったんです。
それまでは、メールにエクセルデータを添付して、当事者同士で簡潔なやり取りをするのみでしたが、今回の開発で、他の社員も案件データを閲覧し、質問したりコメントすることが増え、コミュニケーションが活発になりました。
結果、営業に対する回答の正確性とスピードが上がり、担当者以外でも誰でも回答できるようになっています。
インターフェースをできるだけシンプルにした点です。
業界的に年齢層が高くデジタルが苦手な人が多いため、誰が見てもわかりやすい画面構成を意識しました。
ボタンのデザインについては、見やすくするためのこだわりがあったので、CSS(Webサイトのサイズや色、レイアウトなどを設定するためのプログラミング言語)を用いて欲しいとお願いしました。
ノベルワークスさんに出会ったのは、kintoneの勉強会に参加した際、偶然そこに満村社長が登壇されていたのがキッカケでした。
カスタマイズについて聞きたくて初めて打合せに行った時に、「ここまで考えてきた人いないですよ!」と言われたのが印象的でした。
その後「ここまでシステム設計が出来ているなら具体的なカスタマイズの話ができますよ」とご提案いただき、なんだかんだ5年くらいお願いし続けています。
偶然の出会いでしたが、ご縁があったのか、お陰様で長くお付き合いさせていただいています。
ホームページの問い合わせフォームについて欲しい機能があります。「プレハブを建てたいです」というお問い合わせが来たときに、建てる場所の詳細情報がないと、なんとも回答ができないので解決してくれるAIが欲しいです。
必要な情報として、例えば、用途地域です。
お客様が建物を建てたい土地の用途地域が分からなければそもそも建てられるのかどうかすら分かりません。
そこで、AIがお客様に質問して用途地域や他の必要な情報も収集してくれたら、問い合わせ時点で私たちもお客様に情報を提供することができます。
ですがそうなると、お客様に教えていただきたい項目は山のようにあるため、フォームの入力欄数が多くなりお客様の負担になります。
問い合わせ意欲がなくなってしまえば元も子もありません。
なので、1つ入力すればそれに伴って入力事項がふるいにかけられ、必要な入力事項・追加情報項目が表示されるシステムにできれば、もっと問い合わせからスムーズに仕事へ繋がるはずです。
これは建築業界の人に関わらず、あらゆる業界、また問い合わせる側も負担が少なくなって助かると思います。
●ノベルワークス担当者のコメント
毎回アプリ・データの設計や運用設計、やりたいことも全て明確であったため、とてもスムーズにカスタマイズ開発を進めることができ、結果、開発コストを最低限に押さえられているかと思います。だからこそ5年前から今まで、長く続くお付き合いになっているのだと感じます。
社長の川畑さんはITへの関心・リテラシーも高いので、お話していてすごく楽しいですし、建設業の課題などが分かり、自分達も勉強になっています。今後よりDXに向けた業務改善のお手伝いをさせて頂ければ嬉しいです。
記事公開日:2024年10月29日