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熱意と冷静の化学反応──「レクシンAI for kintone」誕生までの舞台裏

ノベルワークス

2025/04/21

熱意と冷静の化学反応──「レクシンAI for kintone」誕生までの舞台裏

2025年5月11日にリリースされる製品版「レクシンAI for kintone」は、ノベルワークスが手がける最新AIプロダクト。

その裏には、2人の若手エンジニアによる手探りの開発と、数えきれない試行錯誤、そして「現場で本当に使えるAIを届けたい」という強い想いがあった。

「熱量で突っ走る”ざわっち”」と「緻密に道を引く”りょうちん”」——

性格もアプローチも正反対の2人が、同じゴールに向かって走った開発の裏側をお届けしよう。

「僕たちが?…でもやってみたい!」

開発の始まりは、突然だった。

「受託開発チームの上流工程にかかる時間をもっと効率化したい。会話を理解して、自然な提案につなげられる顧客初回対応を支援するAIがほしい。」代表の満村と今後の事業方針を話す中で唐突に出たアイデア。

以前から満村はAIを使った開発の自動化を計画していたが、2人が実際にその構想を聞くのは初めてであった。類似技術に取り組んでいた ざわっち と りょうちん は、急遽プロダクト開発チームに加入することになる。

「最初に聞いたとき、“これ、今のAIの波に乗れるぞ!”とめっちゃワクワクしました」
そう目を輝かせて語る ざわっち 。
一方 りょうちん は、 「確かに、今やらないと市場のスピード感に乗り遅れる。」と、
いたって冷静に危機感を感じていた。

お互いのゴールが重なり、二人の特徴がコンビとしての強みに変わっていく。

狙うなら、最高の舞台で

「β版リリース、1年後にしましょう!いけますよ!」勢いよく提案した ざわっち 。
「1年後より、11月のCybozu Daysだ。そこを狙おう。それなら話題性も最大化できる」 戦略的かつ攻めの判断の りょうちん。
その声に ざわっち もすぐに応えた。「了解っす、全速力でいきましょう!」

ざわっち の“情熱の推進力”と、 りょうちん の“戦略的な決断力”。
お互いがお互いを引っ張り合い、レクシンの開発が加速していった。

壁しかない。でも、それが面白い

開発中は課題の連続だった。
だが、事前に2人で想定される課題を洗い出し、対策を立てて進めていたため、致命的なトラブルは避けられた。ただ、経験のなかったセキュリティ要件などは、気づけないポイントも多く、「分からないことが分からない状態」に直面する場面も。

それでも、綿密な役割分担と、DMで密にやりとりするスタイルが功を奏し、スピーディーに軌道修正しながら開発を進めていくのだった。

役割分担は“お互いの強み”から自然に決まった

 りょうちん はAPIやバックエンドが得意、 ざわっち はAI関係に強い。

「 ざわっち は、なんでも身につけ得る気合いコミット力が一番の強みだと思う。」そう語る りょうちん 。
一方、「 りょうちん は、利害関係者の意見を柔軟に取り入れつつ、絶妙なバランス感覚で最適な方向へとまとめ上げる力を持っている。」と語る ざわっち 。

自然と役割が分かれ、お互いのスキルを活かす体制が生まれた。
在宅(りょうちん)とオフィス勤務(ざわっち)という環境の違いはあったが、 日々のDMとオンラインミーティングで密に連携し、スムーズな意思疎通ができていたという。

「とにかく“相手に委ねすぎない”っていうスタンスが大事でした」「得意なところを伸ばして、苦手なところは任せる。お互いがそこを理解していたのが大きかったです。」

「目的がなければ、プロダクトは使われない」
──ビジネスモデルキャンバスの活用

プロダクト開発にあたり、 りょうちん が導入したのがビジネスモデルキャンバスだった。

顧客セグメント、提供価値、チャネル、顧客関係、収益の流れ、主要リソース、主要活動、パートナー、コスト構造…
この9つの要素を整理し、プロダクトの“本質”を言語化していく。

誰のどんな課題を、どう解決するのか。曖昧にしないことが大事でした
「これをやったことで、開発方針も、社内説明も、全ての軸がブレなくなった」

 ざわっち もこう振り返る。
「最初は“そんな時間ある?”って思ったんですが、やって正解でした。開発で迷ったとき、戻る“原点”があるのは本当に心強いです。」

Cybozu Days出展──「伝える準備はできていた」

ついに完成した「レクシンAI for kintone」は、Cybozu Daysでお披露目されることに。

賑わう会場で、来場者に自らプロダクトを説明するという初業務。
そう聞くと緊張しそうだが、二人は違った。

「緊張はなかったですね。むしろ、話すのは楽しかった」
「ユーザーに“何を伝えるか”はビジネスモデルキャンバスで整理できていたし、対話の中で“こんな課題があるんだ”と気づくことも多くて、めっちゃ刺激になりました」

ちなみに、代表であり開発責任者の満村は帰りの新幹線でこんな一言をポロリ。「正直、Cybozu Daysには間に合わないと思ってた(笑)」

製品リリースに向けて──本番はここから

Cybozu Daysでの展示を終えたあと、予想を超える数のフィードバックがβ版利用希望者から寄せられた。その声を一つひとつ受け止めながら、リリース直前のギリギリまで、二人は改良を重ねていく。
機能面はもちろん、精度やユーザー体験の細部にまでこだわり抜き、
「本当に使われるAI」にするためのアップデートが続いた。

そして2025年5月11日。
ついに「レクシンAI for kintone」は製品版として正式にリリースされる。

最後に──
AIとの付き合い方、そしてレクシンの本当の価値

AI製品が“すべてを完璧に代行してくれる”時代は、まだ先の話だ。
大切なのは、AIの提案をどう受け取り、自分でどこまで消化し、活かせるかという人間側の姿勢なのだ。

「AIは0から70までの支援をしてくれる。でも、残りの30をどう磨くかは人間次第。指示の質によって、AIの出力は30点にだってなるし、逆に70点にも90点にもなる。だからこそ、AIと“会話”する力が必要なんです」
 りょうちん はそう語る。

ざわっち も続けます。
「どこに時間を使うべきか?どんな創造的な価値を自分は生み出せるのか?AIと向き合う時間が、それらを再発見するきっかけになります。だからこそ自分の業務を見直すきっかけとして、レクシンを使ってほしい。人間にしかできない仕事に集中できる、そんな世界を一緒につくりたい。

レクシンは、単なるAI支援ツールではなく、人間が“本来やるべき仕事”に立ち返るためのプロダクトなのである。


そんな二人の想いが、このプロダクトには込められている。

「レクシンAI for kintone」の物語は、始まったばかり。
だが、こうした小さな一歩こそが、これからの“人とAIの関係”を
もっと豊かにしていくはずだ。