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【営業×AI活用】kintoneのAIエージェントで注文書受付から受注手配まで自動化する方法

ノベルワークス

2026/11/04

【営業×AI活用】kintoneのAIエージェントで注文書受付から受注手配まで自動化する方法

「この型番と単価、商品リストと合っているかな」

「この会社、顧客管理にもう登録してあったっけ」

「『前回の倍』って、前回はいくつだったんだろう」

注文書が届くたびに、こんなふうに手が止まった経験はないでしょうか。

ベテランなら、注文書を見ただけで「この会社ははじめてだな」「いつもの篠村食品さんだ。前回は食パンを600個だった」とわかります。

でも、その記憶は担当者の頭の中にしかありません。

FAXやメールで届く注文書の処理は、単なるデータの入力作業ではありません。「前回の倍」という手書きの文字に込められた長年の信頼関係や、「導入支援の開始日は別途相談」といった添え書きを見落とさない心配り。そこには、お客様と向き合う担当者の温かい“おもいやり”が宿っています。 私たちがお届けしたいのは、人の手を省いて冷たい仕組みにする効率化ではなく、お客様を想う配慮の心をテクノロジーで形にする「おもいやりDX」です。

お客様との関係性や、過去のやり取りから生まれた文脈を大切にすくい上げる。
kintoneのAIエージェントに任せると、注文書を添付して保存するだけで、中身を読み取り、商品リストや顧客管理と照らし合わせて、案件と受注の登録までを提案してくれます。ただし、商品リストや過去の受注が kintone に入っていることが前提です。

この記事では、kintone の注文書受付で、読み取りから受注の手配までを AIエージェントに任せたところを、実際の画面と動画で紹介します。

この記事でわかること

  • 注文書を保存したあと、AIエージェントが kintone の商品リスト・顧客管理・受注・出荷管理で何を照らし合わせるのか

  • はじめての取引先と「前回の倍」と書かれたいつもの注文で、登録のしかたがどう分かれるか

  • 人が承認するまで登録しない、受注手配の提案と承認の流れ

1. 注文書の受付と受注手配で起きていること

メールや FAX で注文書が届くと、本来こんな手順が必要です。

  1. 注文書を受け取って、受付に登録する

  2. 品名と型番を、商品リストと見比べる

  3. 単価が合っているかを確かめる

  4. 得意先が顧客管理に登録済みかを探す

  5. 案件管理に案件を起こす

  6. 受注・出荷管理に、品目ごとに入力する

注文書に「前回の倍」としか書かれていなかったら、過去の受注を探すところから始めることになります。

アプリをいくつも行き来するうちに、入力のもれや取り違えも起きがちです。

結局、「慣れた人にしか任せられない」業務になりがちです。

2. 注文書の読み取りをAIエージェントに任せると

担当者がするのは、注文書受付アプリに注文書を添付して保存することだけです。

  1. 担当者が、注文書を添付して保存する

  2. エージェントが動き出し、注文書を読んで商品リストと顧客管理で照らし合わせる

  3. 何をどこに登録するかをまとめて、提案する

  4. 人が中身を確かめて、承認する

  5. 案件と受注がまとめて登録される

ここからは、実際の画面で順に見ていきます。

① 注文書を添付して保存すると動き出す

※以下すべての画像はダミーデータです。

受付番号、得意先名、先方担当者、受付日、受付経路を入れて、届いた注文書の PDF を添付します。

保存すると、エージェントが動き出します。

② 注文書を読んで商品リストと顧客管理で照らし合わせる

エージェントは添付の PDF を開いて、品名・型番・数量・単価を読み取ります。

それから、商品リストで型番と単価が合っているか、顧客管理にその得意先がいるかを調べます。

受注・出荷管理に、同じ品目の記録がすでにあるかも確かめます。

途中で気になることがあれば、自分で調べ足します。たとえば得意先が同じ名前では見つからなかったとき、パネルにはこう出ていました。

顧客管理は完全一致ゼロのため、表記ゆれ候補の確認をします。

③ 「こう登録したい」と提案して承認を待つ

このデモの設定では、調べ終わっても、エージェントはいきなり登録しません。

注文書から何を読み取ったか、照らし合わせて食い違いがあったか、どのアプリに何を登録するかをまとめた提案を出して、承認待ちになります。

人が中身を見て「承認する」を押すと、はじめて書き込まれます。納得できなければ「却下する」もできます。

④ 案件と受注がまとめて登録される

承認すると、案件管理に「受注」の案件ができ、受注・出荷管理にも品目ごとの受注が入ります。

注文書受付のレコードには、処理状況「受注登録済み」と、読み取った内容をまとめた受注案が入ります。

コメント欄には、何を登録したかが短く残ります。

3. 2つの注文書で受注の手配はこう分かれた

同じエージェントに、性質の違う2つの注文書を渡してみました。

※動画と画面に出てくる会社名などは、サイボウズ社が提供する kintone のサンプルアプリのデータと、デモ用に作った架空のデータです。実在の企業・団体とは関係ありません。

はじめてご連絡いたします。注文書を添付いたしますので、ご手配をお願いいたします。

FAX受信分をスキャンして添付。

1本目はメールで届いた、はじめての会社からの注文書です。型番・数量・単価がすべて書かれています。

2本目は、いつもの取引先から FAX で届いた注文書です。品名は「食パン」「バター」だけで、数量の欄には手書きで「前回の倍」「前回同様」とあります。

みなと精機

篠村食品

注文書の書き方

型番・数量・単価がすべて書かれている

数量の欄に「前回の倍」「前回同様」

数量と単価

3品目とも、型番と単価が商品リストと一致

直近の受注(10月19日)の食パン600個・バター100個から、食パン1200個・バター100個と推定。単価は商品リストの今の価格

顧客管理

同じ名前も似た名前も見つからず、新しい得意先と判断。締め日と支払日も入れて新しく登録

登録済みで、支払条件も一致。新しい登録はしない

受注・出荷管理

3品目を新しく登録

食パンとバターの受注の記録に今回分を足す

結果

新しい得意先として登録し、案件と3品目の受注。合計894,000円(税抜)

前回から数量を割り出し、いつもの品目に受注を追加。合計261,000円(税抜)

4. 注文書を読み解く5つのポイント

結果だけでなく、エージェントの考え方にも見どころがあります。

① 見つからなくてもすぐに「新規」とは決めない

みなと精機の件では、顧客管理で同じ名前の会社が見つかりませんでした。

エージェントはそこで新しい得意先と決めず、「株式会社」を外した「みなと精機」で、似た名前の会社がないかを探し直しています。

表記ゆれ候補も無く、新規の得意先と判断できます。

「株式会社」の有無や略し方の違いで、同じお客様を二重に登録してしまうのは、よくある失敗です。

探し方を変えて確かめてから決めているので、その心配が減ります。

② 「前回の倍」を過去の受注から読み解く

篠村食品の注文書には、数量が数字で書かれていません。

エージェントは「読み取れない」で止まらず、それが過去の注文を指していると読みました。

注文書は数量・単価が「前回の倍」「前回同様」という記載で、過去の注文を指しています。

そして受注・出荷管理で、篠村食品の直近の受注を探し当て、数量を計算しています。

注文書の指示「前回の倍」(食パン)→ 600×2 = 1200

「前回同様」(バター)→ 100

ベテランが「前回はたしか…」と記憶をたどるところを、記録をたどって同じ答えにたどり着いています。

③ 推定したところは推定と書いておく

篠村食品の件では、注文書受付の受注案に、数量をどう決めたかが書き残されていました。

受注・出荷管理の篠村食品株式会社の直近受注(2026-10-19受注、(…))から数量を推定。食パンは前回数量600の倍で1200、バターは前回同様の100とした。

案件の詳細にも同じ根拠が入っています。

あとで数量を確かめたくなったら、どの注文をもとにしたかがすぐにわかります。

単価についても、エージェントは但し書きを付けていました。

単価は商品リストの現在価格を使用(前回と同額だが「過去の値」ではなく現在の価格を採用というルール通り、結果的に一致)。

前回と単価が同じだったのは、前回の値を写したからではなく、今の価格を調べた結果だと断っています。

承認する人は、単価がどこから来たのかを知ったうえで判断できます。

④ 注文書の添え書きも案件に書き残す

みなと精機の注文書には、明細のほかに「導入支援の開始日は別途相談」という備考がありました。

エージェントは、この一文も案件の詳細に書き写しています。

備考(注文書記載):導入支援の開始日は別途相談

明細だけを転記すると、こうした添え書きは抜けがちです。

案件を開いた営業担当が、先方との相談ごとに気づけます。

⑤ お客様によって登録のしかたを変える

みなと精機は、はじめてのお客様です。

エージェントは顧客管理に会社を登録し、受注・出荷管理にも3品目を新しく作りました。支払条件「末日締め翌月末日払い」も、顧客管理の締め日と支払日に分けて入れています。

篠村食品は、いつものお客様です。

顧客管理の登録はそのまま使い、受注・出荷管理ではすでにある食パンとバターの記録に、今回の受注を足しました。提案の中でも、こう書いています。

既存行をそのまま保持した上で新規行を1行追加します。

このデモでは、同じ品目の記録が二重にできることはありませんでした。

5. 受注手配の現場はこう変わる

  • 転記の手間が減る:1枚の注文書から、顧客管理、案件管理、受注・出荷管理への登録までを、まとめて提案してくれます。どちらの件も、保存から提案が届くまでのエージェントの実行時間は約46秒でした。

  • 「前回と同じで」に慌てなくてよくなる:過去の受注を探して数量を割り出し、どの注文をもとにしたかまで書いてくれます。

  • 二重登録や取り違えに気づける:似た名前の会社まで探し、注文書の支払条件が顧客管理と合っているかも確かめます。

  • 最後の確認は受注担当に残る:提案は承認待ちで届くので、推定した数量や単価を確かめてから、承認するか却下するかを決められます。

6. あなたの受注手配は当てはまる?

次のうち、当てはまるものはありますか。

  • 注文書の受付や受注を、kintone に記録している

  • 注文書が届くたびに、商品リストや顧客管理など複数のアプリを行き来している

  • 「前回と同じで」の注文を、担当者の記憶を頼りに処理している

  • 過去の受注が、品目や数量まで記録として残っている

2つ以上当てはまるなら、AIエージェントに任せられる余地があります。

よくある質問

Q. AIエージェントが勝手に案件や受注を登録することはありますか?

承認されるまで書き込みません。エージェントは注文書から読み取った内容と登録先をまとめて提案し、承認待ちになります。人が「承認する」を押すまで、顧客管理・案件管理・受注・出荷管理には何も書き込まない設定にしています。どのアプリに何を書けるか、承認を挟むかは、エージェントの設定で決めます。

Q. 数量が「前回の倍」としか書かれていない注文書でも処理できますか?

動画2の篠村食品の件では、受注・出荷管理から10月19日の受注(食パン600個・バター100個)を探し、食パン1200個・バター100個と推定しました。どの受注をもとに推定したかは受注案と案件の詳細に書き残されるので、承認する前に確かめられます。

Q. はじめての取引先を二重に登録してしまうことはありませんか?

動画1のみなと精機の件では、同じ名前で見つからなかったあと、「株式会社」を外した名前で似た会社を探し直してから、新しい得意先と判断しています。いつもの取引先の篠村食品では、顧客管理の登録をそのまま使い、新しい登録はしていません。

まとめ:受注手配は受注の記録を残すことから

篠村食品の「前回の倍」を読み解けたのは、10月19日の受注が受注・出荷管理に残っていたからです。

毎回の受注をきちんと入れておくことが、次の注文書を読むための手がかりになります。

注文の記録がたまっているほど、エージェントは「いつもの」を読み取りやすくなります。

注文書の処理のように、見比べる先が多く、お客様ごとの事情で手順が変わる業務は、AIエージェントに任せやすい業務の一つです。

手始めに、注文書が1枚届いたときに行き来しているアプリを、紙に書き出してみてはいかがでしょうか。

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